「パパが関わりたいと思うことと、ママがやってほしいことにギャップがあることが多いです」
そう話してくれたのは、パパ団体「Hiタッチ!!」の中西信介さんです。同団体で子育て中のママたちにヒアリングを実施すると、いろいろな声が聞こえてきました。「夜中に赤ちゃんが泣いていても、夫は寝ている」や、「夫は自由に飲みに行っている」など、ママたちのストレス要因となり得るコメントが集まったのです。そこで、同団体が行っている東京都立川市でのプレパパ向けの講座で「妻が産前/産後に夫にしてほしいこと、夫が産前/産後にやりたいと思うこと」について話し合いの時間を持つことにしたと言います。
ディスカッションには先輩ママやパパも参加し、産後育児のリアルな様子を伝えていきました。
「いきなり話し合ってみてくださいと言っても、夫婦二人では、お互いに変な遠慮があることもあり、うまく話せないことが多いのですが、子どもの年齢が近い家族と一緒に話すと、意外と自然にわかり合えることがあります。妻から直接言われると素直に受け止められないことも、先輩ママやパパから言われると、受け入れやすいのかなと思いました」(中西さん)
「Hiタッチ!!」のように、地域の子育て世代を対象にした講座は各地で開かれています。核家族化が進み、頼れる親族が近くにいない世帯が多い今、地域コミュニティーで子育てを支え合う動きが活発になっています。遠くの親戚よりも近くの他人。自分たちが壊れる前に、相談できる相手を探しておくことは、赤ちゃんと家族を守ることに繋がります。
(フリーランス記者・宮本さおり)
※アエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」より