■周囲巻き込んで“悪い人”に…
それから数カ月後、娘の恋は破局を迎えた。サトシさんは理由を聞かなかったが、娘はぽつりと、「彼の理屈で世の中が動いているわけじゃないよね」とつぶやいたそうだ。
「結婚してだめだと思ったら離婚したっていいと思いますよ。今はそれができる時代なんですから。だけど娘がみすみす不幸になっていくのを見たくないのが親というもの。うちの娘は翻意してくれてよかったけど、秋篠宮ご夫妻の胸中は察するに余りあります」(サトシさん)
小室さんが多くの人の心をざわつかせる存在なのがわかる。だが一連の言動は、彼の中では整合性が取れているのではないだろうか。
世間が手のひら返しとみる「解決金」だって、小室さんにとっては事態に対処する「柔軟性」に置き換えられているのかもしれない。
一方、過去に“ヤバい系”の男性と結婚していたというユミさん(58)は言う。
「若いときは相手の本質を見抜けないし、見抜いたとしても自分が何とかしてあげたいと思ってしまうんですよね」
元夫は結婚前から「優秀だけどちょっと変わり者」とは見られていた。だが、結婚してみると、その変わりっぷりは異様だった。
被害妄想が強く、相手が自分の邪魔をする人間と思い込むと徹底的に潰しにかかる。
「周りの人まで巻き込んで“悪い人”に仕立ててしまう。その目的のためには、しれっとウソもつく。ついたウソは自分の中で正当化されていく。それは怖かったですね」
離婚したのは、マンションの住人同士のトラブルに端を発して、彼が理屈を述べ立てて片方を援護し、仲良しだった他の住人たちまで二分されるような結果になったから。皆は彼が原因だとは気づいていないが、彼女は自分の夫の怖さを知ってしまった。
「もうここにはいられないし、結婚生活は続けられない。そう思いました」
ただ、と彼女は最後に話した。
「今思い出しても、彼はやっぱり強烈な魅力を放っていました」
(文中カタカナ名は仮名)
※週刊朝日 2021年4月30日号