遠くからは光り輝いて見えたけれど、近づいたら身も心もボロボロに。「やめたほうがいい」と言われるほど、自分だけが知る魅力があると感じてしまう。これほどまでに人の心が波立つのは、「あの人」がまとう空気に、そんな不穏さを感じるからなのかもしれない。(フリーライター 亀山早苗)
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眞子内親王と小室圭さんの結婚問題がこれほど大きな話題となるとは。
当初は小室さんの母親の元婚約者に対して、訝(いぶか)しく見る向きもあったようだが、いまや小室バッシングばかりが目立つ状況だ。
コロナ疲れの格好のはけ口となっている感も否めないものの、義父になるはずの人から「(一連の騒動に)納得いく説明を」と求められた答えがA4用紙計28枚、4万字。長さもすごいが、概要をつけるというビジネスライクさも不思議だ。
執拗(しつよう)ともいえる自己主張と、繰り広げられる正義。しかも4日後には「解決金」を払うかもと言いだす手のひら返し。眞子さまと同世代の女性たちに聞くと、「なんだかわからないけど怖い。めんどくさい男という感じ」(26)、「自信たっぷりに主張したのに、すぐに態度を変えるなんて、外面がよくて家でDVする人みたい」(32)と、さんざんな言われようだった。
そもそも、眞子さまはなぜ、この男性に惹(ひ)かれたのだろう。もう少し掘り下げると、バッシングとは少し違った視点で騒動を見つめる人たちの声も聞こえてきた。
「なんだかわかるんですよね、こういう恋が成立してしまうことが」
しみじみと振り返るのはアツコさん(38)だ。20代前半の大学生時代に恋に落ちた男性は、大学院卒の研究者だった。屈託のない笑顔が素敵で、こつこつと努力するタイプ。決して人を上から見るようなことはなかった。夢中になった。
だが、3年ほど付き合ったころ、こんなことがあった。
「彼の友人たちと会っているとき、それぞれの職場の話になり、そのうちの一人が『上司のパワハラがひどい』と言ったんです。そうしたら隣にいた彼が『チッ』と舌打ちをしたんですよ。他の人には聞こえなかったと思うけど。あれ、こんなことする人だっけと気になりました」