【Harriet代表】関口賢さん/1985年生まれ。中国式鍼治療専門店「ハリー」の王尉青院長(中医師)のもとで断食について学び、東洋医学に基づいた考えで鍼灸治療と断食指導を行う(写真:本人提供)
【Harriet代表】関口賢さん/1985年生まれ。中国式鍼治療専門店「ハリー」の王尉青院長(中医師)のもとで断食について学び、東洋医学に基づいた考えで鍼灸治療と断食指導を行う(写真:本人提供)
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AERA 2021年4月26日号より
AERA 2021年4月26日号より
【サムライフ代表取締役、薬剤師】坂田武士さん/1974年生まれ。予防医学士、スポーツファーマシスト。薬を勧めない薬剤師として独自のオーダーメイドカウンセリングを実施(写真:本人提供)
【サムライフ代表取締役、薬剤師】坂田武士さん/1974年生まれ。予防医学士、スポーツファーマシスト。薬を勧めない薬剤師として独自のオーダーメイドカウンセリングを実施(写真:本人提供)
AERA 2021年4月26日号より
AERA 2021年4月26日号より

 夏を前にコロナ太りを解消しようと、ダイエットに励む人も多いだろう。だが、無理をすれば、仕事のパフォーマンスに影響を与えかねない。そこで、おすすめは働きながらでも続けられるファスティングだ。なお特集では、高齢者や妊娠中の人、18歳以下の人には勧められないなどファスティングのデメリットも解説。押さえるべき注意点についても医師に取材し、併せて掲載している。AERA 2021年4月26日号の記事から。

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「月曜断食」を提唱する鍼灸(しんきゅう)治療院「ハリエット」代表の関口賢さん(35)は、断食経験者の「食べない時間を持つことであらゆる感覚が研ぎ澄まされ、自分の体と向き合う時間がとても楽しかった」という言葉が印象に残っていると話す。

 月曜断食の方法はシンプルだ。1週間を「不食」「良食」「美食」の三つに分け、それぞれのルールにのっとった食事法を、1カ月間を目安に続ける。「不食日」は基本的に水だけ飲んで過ごす。水の摂取量は1.5~2リットルが目安だ。

 10年の開院以来、鍼灸との併用で指導していた断食を、自宅でもできる「月曜断食」というメソッドに構築して3年。たくさんの「やりました!」という声を聞く中で、関口さんは「月曜断食は100%完璧にやらなくていい」と考えるようになった。

「最終ゴールは、自分に最適の食事法を身につけること。完璧さを求めすぎると習慣にしづらい。月曜断食で体重、体調、感覚の変化を見ながら自分に合った方法を探っていってほしい」

「薬を勧めない薬剤師」として予防医学のオーダーメイドカウンセリングを行う坂田武士さん(46)は、14年に「オプティマム・ファスティング」を開発。特徴は、「筋肉量をキープしながら脂肪だけを落とせる」「血糖値が安定しておなかがすきにくい」「リバウンドしない」の三つだ。

「消化器官は最大限休めつつ、体が喜ぶ栄養素はきっちり取るので、体内の消化→吸収→輸送→代謝→排泄(はいせつ)の一連の流れがスムーズになります」

 カギとなるのは、オプティマム・ファスティングドリンク。プロテインは、ヨーグルトの上澄みを原料にしたホエイプロテインが望ましい。動物性たんぱく質のホエイプロテインと、植物性たんぱく質の豆乳で筋肉の成長や強化などが期待できる。豆乳や米麹(こうじ)甘酒の栄養成分はエネルギー代謝や腸内環境の改善を助ける。

「高たんぱくで、糖質と脂質も適量取れる。それらがエネルギー源になり血糖値の上昇が緩やかになります。ドリンクだけでおなかが満たされるので、ストレスがたまりません」

 このオプティマム・ファスティングは「一生に1回」と決めて行うのが肝。さらに重視したいのはファスティング後の1カ月間の過ごし方だ。

「ファスティングをきっかけに健康的なライフスタイルにシフトチェンジする。そして次の1カ月で、体が喜ぶことを無意識に習慣化できるようにする」

 次の五つのステップを順に積み重ねていくといい。具体的には、「食事内容、体重、体脂肪率、筋肉量を記録」→「なりたい自分を書き出す」→「いつから太りだしたか過去を振り返る」→「太る原因を一つ減らし、痩せる習慣を一つ足す」→「1カ月間の体の変化をグラフ化」。全て終えたら次の新しい目標を立てる。結果、体質が改善し、思考や行動も変化する。(ライター・羽根田真智)

AERA 2021年4月26日号より抜粋