撮影現場では感染対策のためスタッフは20人以下とし、ほぼ一発撮り。カットもソロシーンが中心で、ドキュメンタリーのようなノリで撮影しているという。まさに「黙」とソロの現場だ。

 ドラマの五月女は、ソロ活中に声を発するシーンはない。第3話では、プラネタリウムに行き、周囲のカップルは気にせず、ふかふかのプレミアムシートでリラックス。その気持ちよさに開始早々に爆睡してしまうが、癒やしと贅を極めた今時の設備に大満足する。

 撮影現場となった「プラネタリア TOKYO」を運営する、コニカミノルタプラネタリウムの広報担当者はこう話す。

「コロナ前後あたりからおひとり様でお越しになる方が増えています。一人でシングルシートで鑑賞し、『日常を忘れられた』『頭がリフレッシュできた』とかのお声はよく聞きます」

 ほかにも番組で紹介された(予定も含む)ソロ活スポットを上にまとめたので参考にしてほしい。

■ソロ活で始まる自分との対話

 プロデューサーの森田昇さんは、ソロ活は自由な人生につながっていくと考える。

「一人でいると、好きな食べ物でも景色でも、その対象物とちゃんと向き合えるようになる。欲望に忠実になると、自分自身が見えてくる。自分自身を知れば、ちょっぴり自由になる感じがしてくる。最終回に近づくと、昔見ていた世界とほんのちょっと違う世の中になっている。それは自分が経験をして勇気がもらえて自由になったから、というふうに終わろうと思っています」

 実際に、ドラマを見た視聴者からは「心が軽くなった」「楽しくなった」という反響が初回から寄せられている。原案の著者の朝井さんも言う。

「互いの生き方を認め合う自由な人生の選択肢をとれるのがいい」

 前出の荒川さんも、

「一人で行動するということは自分との対話をするということ。自分の中にもう一人の新しい自分が必ず生まれるので寂しくないのです」

 黙活・ソロ活をしたことがなかった人も、やってみたいと思っていた人も、まずは挑戦してみては。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2021年5月7-14日合併号より抜粋