「歪みが解消されたところもあれば、逆に歪みが大きくなっているところがあるのでしょう。東日本大震災級のM9の地震が再び起こることはほぼ考えられないが、M8級の地震は可能性がある。M8.5となれば、起きる場所によっては再び大きな津波が福島原発を襲うことも否定できません」

■北海道東部の「懸念」

 東北以外では、冒頭の利島村が37回、新島村(東京都)が21回と上位に入った。いずれも伊豆諸島にある自治体で、昨年12月に起きた地震で回数が増えた。プレートがぶつかり合う場所で、もともと地震が多い場所でもある。

 函館市(北海道)でも18回と増加していた。北海道では気になる現象も起きている。火山である十勝岳では20年6月、20年ぶりに火口付近が明るく見える火映が観測された。その後も時折、火映が見られている。また、3月には有珠山でも火山性地震が起こっている。

 この地域でいま最も懸念されているのが、北海道東部を襲う巨大地震だ。東北で東日本大地震を引き起こした日本海溝から北上すると、十勝沖、根室沖などに千島海溝がある。この千島海溝でこれまで大きな地震が起こっていたことがわかってきている。

 政府の地震調査委員会によると、M8.8程度以上の地震が、今後30年以内に7~30%の確率で起こるという。想定では高さ30m弱の津波が来るともされる。

 西日本のランキングを見ていこう。和歌山市(和歌山県)が23回と最も多く、それに湯浅町(同)が19回と続いた。今年2月には県北部を震源とする震度4の地震が和歌山市であり、市議会の天井から照明器具が落ちるなど、被害があった。もともと小さな地震が頻繁に起きる地域でもあり、「地震の巣」とも言われる。

 その他には嘉島町(本県)が13回、宇土市(同)と宇城市(同)が11回など熊本県の自治体が続く。今年3月には震度4の地震が宇土市などで起こった。16年に起こり大きな被害をもたらした熊本地震の余震と見られる。

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少ないから安全…ではない