北條は光星学院(現・八戸学院光星)時代、11年夏から12年夏まで3季連続で甲子園準優勝となったチームの中心選手として活躍。清原和博(PL学園)に並ぶ甲子園通算29打点を記録するなど、高校球史に残る名選手だった。12年にドラフト2位で入団し、4年目の16年には122試合に出場して打率.273、5本塁打、33打点、6盗塁をマーク。レギュラーの座を掴みかけたが、その後は伸び悩み、昨季も40試合の出場で打率.192と低迷した。今季から背番号は「2」から「26」に変更となり、キャリアの重要時期を迎えている。

「背番号を変えたり、高校の先輩である坂本勇人巨人)に弟子入りするなど、何かを変えようとは思っている。お調子者の部分があって野球に出る時がある。調子が良い時は信じられないプレーを見せるが、逆の時は悪く出る場合もある。(現在のチーム状況で)本人も焦っているはず。相当の覚悟はあるので、それが良い方に向かって欲しい」(阪神関係者)

 高山、北條とも野球の才能、実力に関しては言うことはない。伸び悩んでいるのは、どうやらメンタル面にも問題がありそうだ。2人ともマイペースで、自信家な部分が共通している。阪神という超人気球団に在籍して、それがマイナスに作用している部分もあるのだろうか……。

「人間なので、注目されて多少浮わついてしまうのはしょうがない。阪神でプレーする際には、そこが最も難しい部分。ファンは騒ぐ。マスコミには注目される。タニマチなど色々な人も寄ってくる。流されてしまい才能を埋もれさせてしまう選手も多い。同じように藤浪晋太郎も苦しんでいる。2人もギリギリな線ですよ」(在阪テレビ局スポーツ担当)

 高山に対しては、矢野監督がキャンプで連日名指しで褒めまくった。高山の性格を考え、伸ばすための手段だったかもしれない。また北條も背番号が変更となったのは、球団からの心機一転頑張れというメッセージ的な意味合いもあるだろう。

 昨年は11年ドラフト1位入団の伊藤隼太が戦力外になった。慶応大のスターは、鳴り物入りで阪神入りするも9年間鳴かず飛ばずでユニフォームを脱いだ。高山と北條には、このまま終わって欲しくないというファンも多いはずだ。しかし、残された時間は決して長くはない。

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