「明日の食卓」(5月28日全国公開)で主演の一人を演じる高畑充希さん。町工場が広がる東大阪の育った彼女が演じるのは、「大阪のオカン」。作家・林真理子さんとの対談では、舞台への思いや、これからのキャリアや趣味に至るまで迫ります。
【前編/高畑充希、新作映画で大阪のオカン熱演「東大阪出身なのでなじみある」】より続く
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林:そういえば、このあいだ週刊誌の見出しを見たら、高畑さんって社長令嬢で、進学校のご出身って出てましたよ。そういう意味でも、「大阪のオカン」とはちょっと違うんじゃないですか。
高畑:いや、ほんとに加奈(高畑さんの役)がいるような空間の中で育って、偶然、進学校に入っちゃったんです。でも、勉強はそんなに好きじゃなかったので大変でした。落ちこぼれちゃって。
林:そんなことないでしょう。ちゃんと大学卒業したんでしょ?
高畑:卒業してないんですよ、実は。4年生まで行って、そのあたりで仕事が忙しくなってしまって、「もう、いっか」と思ってやめちゃったんです。
林:それは「とと姉ちゃん」(NHK連続テレビ小説、16年度前期)のときですか。
高畑:「ごちそうさん」(同、13年度後期)のときが21歳だったんですけど、そのあたりからどんどん学校に行けなくなって。
林:私、「ごちそうさん」で高畑さんを見て、昔の少女雑誌の挿絵に出てるような子がほんとにいるんだ、とびっくりしたんです。市場で歌っていた歌もすごくうまくて、どういう芸歴の人なんだろうと思ったら、舞台で「ピーターパン」を演じていらっしゃったんですね。私の娘が幼稚園から小学校のころ、「ピーターパン」を何度か拝見していたので、私、たぶん高畑さんのピーターパンも見てるんです。あのピーターパンちゃんがこんな大女優になっちゃったんだ、と思いましたよ。
高畑:つながらないですよね、ピーターパンと(笑)。
林:子どものときに「オペラ座の怪人」とか、いろいろな舞台も見てきたんですか?