巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社
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 巨人・小林誠司が2日、約2カ月ぶりに昇格した。捕手は大城卓三、炭谷銀仁朗、岸田行倫、小林と異例の4人体制。小林は6日の西武戦(東京ドーム)で2点リードの9回から途中出場でマスクをかぶったが、栗山巧に2点同点適時打を浴びて引き分けに持ち込まれた。その事情をスポーツ紙遊軍記者はこう分析する。

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「小林を試合途中で起用する『抑え捕手』のプランを想定していると思います。正捕手は大城ですが、リード面で疑問が残る配球が目立つ。肩の強さを含めて小林を途中出場で起用して勝ちゲームでそのまま逃げ切るというゲームプランを、首脳陣は想定しているのではないでしょうか」

 小林はメディアに「トレード要員」と報じられる機会が多い。16年から4年連続盗塁阻止率リーグトップをマークするなど巨人の正捕手として活躍してきたが、原監督が3度目の監督に就任した19年以降は出場機会を減らしている。昨年は度重なる故障で10試合出場のみ。今年も開幕10試合を終えたところで打撃面の課題を指摘され、ファームに降格した。

 もちろん、原監督は戦力として小林を計算している。だからこそ、このタイミングで1軍に昇格した。ただ、トレードの可能性がなくなったかと言えばそうではないだろう。他球団の編成担当はこう話す。

「今の巨人のメンバーを見て、トレードで獲得に踏み切るとしたら、小林と石川慎吾です。必要ない選手を他球団に出すわけではない。例えば、田口麗斗だって巨人には必要な選手でしたが、それ以上に廣岡大志の方が長期的なチーム戦略でプラスアルファになるとみて巨人はトレードに踏み切っている。田口の野球人生を考えた時、先発のローテーションがコマ不足のヤクルトの方が輝けるという配慮もあったと思います。小林も同じことが言えます。実績のある選手ですが、1軍から遠ざかって出場機会を減らすと市場価値が年々下がっていく。他球団に必要とされることは名誉なことだし、巨人は『飼い殺し』をしないスタンスを取っている。ウイークポイントの救援陣で即戦力の投手を獲得できるならば、トレードを敢行する可能性は十分にあると思います」

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