武田議員は国交省から入手したという資料を委員に配布し、赤羽国交相の視察はこの1年間で29回あり、このうち公明党の国会議員が実に28回も同行していたことを明らかにした。
「公明党の議員の方は過去1年でありますけれども、29回あるうち、28回参加をされておられる。メディアの関係ということでは公明新聞のみということになっておりまして、特定の政党だけという状況があると言わざるを得ない」(武田議員)
瓦林大臣官房長は「この29回、いずれにつきましてもそのような経緯を辿って、同時に実施されたということであります」と答えた。
この回答を聞いた武田議員は思わず失笑し、こう語った。
「そういう偶然みたいなことがそんなに続くのかな、と。私も率直に疑問を持つところではあります」
武田議員が今後どうしていくのかを尋ねると、赤羽国交相は視察に関する答弁からやっと解放されそうな安心感からか、「なんちゅうかな」と、地元兵庫のくだけた表現が出た。
「たぶん、公明党の場合は同じ政党ですから、他の政党に対してなかなか大臣もちょうどいくので、どうですかとは言いにくいことも。身内だということで言いやすいということもたぶんあるんではないかと、私の想像ですが、思います。今後も基本的にはそういう姿勢で私は視察に望みたいと思いますし、ただなんちゅうかな、いろんな問題というのは様々な人が、首長さんや地元の議員さんから年中要望を受けて、国交省にいると、朝から晩まで要望を受けて、必ず現場に来てくれと言われている中で、取捨選択は当然、国交省の中で政策の重要度でやるわけです。それは一律ということはありませんので、現場で柔軟な形で視察が行われるということが重要なんじゃないかなと思います」
武田議員はこう締めくくった。
「いずれにしても、特定の政党の選挙活動に大臣の視察が活用されるようなことがあってはならないと思いますし、国交省も道筋をつけることがあってはならないと思いますので、このことを重ねて指摘をしておきたいと思います」
(AERAdot.編集部 上田耕司)