
いま、空前のキャンプブームが起きている。コロナ禍でも周囲の目を気にせずに集まって食事や飲酒が楽しめると、キャンプ場が賑わっているのだ。一方、これまでキャンプを楽しんできた愛好家たちは、いわば「新参者」のマナーの悪さに対して厳しい視線を向ける。キャンプ場のマナー問題の現状を取材した。
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<今やキャンプ場はビアガーデン並みのうるささです>
<スピーカーで音楽はマジで迷惑で禁止してほしい>
<道具は一流でも、ああ二流のにわかキャンパー>
<まわりの人や自然への配慮がまったくなく、好き勝手やり放題の騒ぎ放題>
<早くキャンプブームが終わってくれないかな>
キャンプ場のマナー問題を取り上げたネット記事のコメント欄を見ると、従来からのキャンプ愛好家と思われるユーザーからのこんな怨嗟の声があふれかえっている。
業界団体はこの現状をどう見ているのか?
■キャンプの基本を守ってほしい
「せっかく、自然のなかに行くわけですから、そこで気分よく、お互いに嫌な気持ちにならないように過ごすこと。それがキャンプの基本です」
そう話すのは、日本キャンプ協会の事務局長、依田智義さんだ。「キャンプの基本」を守ることの大切さを、そう強調する。そのうえで、いま、キャンプブームの陰で「従来では考えられないマナー違反がさまざまなところでたくさん起こっている」と言い、こう続ける。
「キャンプ場で音楽をガンガンかけられた日には、もう、たまったもんじゃないですよ。そういうのに遭遇して予定を切り上げて帰ってきた人もいる」
実は筆者も、同様の場面の遭遇したことがある。それは音の暴力以外の何物でもなく、思い出すだけでも怒りがこみ上げる。
「いろいろなケースを見聞きしますけれど、そういった迷惑行為は非常によろしくないことだし、危機感を持っています。なんとかしないと、『こんなんだったら、もう、キャンプには行かないよ』と思う人が増えてしまう。それはほんとうに悲しいこと」(依田さん)
■団塊ジュニアがブームを
ちなみに、今回のキャンプブームにはどんな背景があるのか。日本オートキャンプ協会の事務局長、堺廣明さんによると、キャンプ人気は時代によって波があるという。
前回のキャンプブームは1980年代。ちょうど団塊世代の子育てと重なる時期だ。