秋篠宮さまが57歳の誕生日に先立ち行われた記者会見で、SNSでの発信の可能性を言及した。情報発信に際して、皇室へのバッシングに反論する場合の「基準」作りも課題の一つだ。今回の会見、毎日新聞客員編集委員・江森敬治氏の著書『秋篠宮さま』などから、秋篠宮さまの情報発信に対する考えを読み解いた。2022年12月12日号の記事を紹介する。
【写真の続き】写真で振り返る「秋篠宮さまの57年」(全5枚)
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情報発信に関して話題になったことがある。それは皇室へのバッシングや誹謗中傷などに反論する場合の「一定の基準」づくりだ。
長女眞子さんの結婚直後だった昨年の会見で、秋篠宮さまが言及したもの。だが、こちらは「引き続き検討していく課題」と述べるにとどまった。いろいろな経緯を経て、秋篠宮家は「何でも書いてよし」の状況にある。それでも秋篠宮さまは、基準を作って意見を述べることは「なかなか難しいなと思っております」と述べた。
『秋篠宮さま』と比べると、現状の厳しさが一層感じられる。96年11月の会見が再録されていて、そこで秋篠宮さまは自身の週刊誌報道に対し「完全に事実と異なる報道がなされたということについては、不満を持っています」と述べているのだ。
当時ははっきり口にできた反論が26年を経て、「課題」「難しい」に変わった。「天皇の次男」が「皇嗣」になったこと以上に、「書かれ放題」の対象が自分でなく家族だということが大きいのではないだろうかと思う。