「秋篠宮さまの57年」AERA2022年12月12日号より
「秋篠宮さまの57年」AERA2022年12月12日号より

 仮に会見で秋篠宮さまが「事実と異なる報道」に反論すれば、それがSNSで部分的に切り取られ、さらなるバッシングとなる。そんなこともたやすく予想できる時代だから秋篠宮さまは慎重なのではないだろうか。SNSとメディアで情報がキャッチボールされ、気づけば「事実」になっている時代。秋篠宮家はその困難さを一身に抱えている。

 もう一つ、96年の会見の話をする。そこで秋篠宮さまは、奄美大島での体験を語った。マングローブの自生する地域で車を降りると、地元の人が100人以上いて、ごく自然に話をした。会見で語ったこの思い出を、今も懐かしそうに語る。江森氏はそう書いている。

「秋篠宮さまの57年」AERA2022年12月12日号より
「秋篠宮さまの57年」AERA2022年12月12日号より

 今回の会見で秋篠宮さまは、夏の高校総合文化祭での思い出を語った。会場を回ったら、ある作品を見ている親子がいた、見たい作品だったので近づいたら、作品の作者だった。これはオンラインにはない「偶然性」で、これからもこういう交流があったらよい。そう話していた。

 秋篠宮さまはずっと、国民との「自然な交流」を求めている。SNSがその助けになることを願っているのだと思う。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2022年12月12日号より抜粋

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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