体の調子が悪いのも根性が足りないからだ、仕事をすれば大丈夫と自分にはっぱをかけ続けました。その結果、あるとき脳がシャットダウンしてしまったんです。まるでブレーカーがバチッと落ちた感じで、体がまったく動かない。どうにかこうにか病院で受診したところ、診断は「うつ病」……ショックでしたね。当時の私は「うつ病=怠け病」だと思っていましたから。まさか自分がそうなるとは……。

■社会人として失格……「死にたい」

 その後、抗うつ剤を服用しましたが、副作用が強すぎて24時間寝てしまう。ずっと寝ているだけの毎日で、社会人として普通の生活が送れない。このままではいけない、社会人としては失格だ、でもベッドから起き上がることができないのくり返し。責任感から「死にたい」とまで思いました。
 
 そのときふと、学生時代のことを思い出したんです。私は陸上の選手だったので毎日、30キロメートルは走っていた。あの頃、体はきつかったけれど、「死」なんて考えなかった。そこで「体を鍛えたら、ここから抜け出せるかな?」と、考え方を変えてみました。
 
 最初はストレッチから始めましたが、5分が限界でした。でも、毎日続けられるようになり、抗うつ剤の服用もやめました。すると体がだんだんと軽く感じられ、昼間でも歩けるようになり、バイクで高尾山まで行って新鮮な空気を吸えるまでになりました。身体が自然に順応していったようです。

■うつの典型的な症状は3つ

 うつ病を治すのに大切なのは、体の調子を整えること。私のうつ病は、メランコリー型という典型的なものでした。説明すると、やり過ぎてしまって、体が疲労困憊(こんぱい)な状態をいい、燃え尽き症候群とも言われます。体が疲れているので、体の調子を整えれば疲労がぬけてメンタルも回復していく。陸上をやっていたときと同じぐらいの体力を保てば元気になるかもしれないと仮説を立てて試したら、疲労が取れていきました。
 

暮らしとモノ班 for promotion
「一粒万倍日」と「天赦日」が重なる最強開運日にお財布を新調しよう!収納力重視派にオススメの長財布46選
次のページ