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「心臓がバクバクして苦しい」「横になっているのに、眠れない」……。コロナによる緊急事態宣言が何度も発令され、心と身体のバランスが崩れている人も多いだろう。こういった身体の不調は、自律神経の乱れが原因かもしれない。
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『自律神経が整う考え方』(原田賢・著、朝日新聞出版)では、予約の取れない自律神経専門整体院が教える「疲れた心がラクになる考え方」をケースごとに網羅。「うつになった経験がある」と語る著者が、体や心の不調に対する対処の方法を教える。
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現代はストレス社会です。そしてストレスは、自律神経に影響を及ぼします。ストレスがあると体調を崩してしまうのは、自律神経の働きが乱れるからです。
自律神経を乱す原因のストレスは5つあります(図1参照)。人にはそれぞれストレスを受ける器がありますが、その大きさは人によって違います。ある人の器は大きく、ある人の器は小さい。器にどんどんストレスがたまっていくわけですが、その器からストレスがあふれ出てしまったときに、不調があらわれます。不調は突然あらわれるのではなく、徐々にたまっているのです。
私は、自律神経症状に悩み、私の整体院に施術を受けにいらっしゃる方には必ずこの話をしています。不調が出にくい人は、たまっていくストレスを自分なりの方法でくみ出すことができる人だと言えます。
■うつ病は、怠け病だと思っていた
私は学生時代、体育会系の陸上部に所属し体力に自信がありました。会社員時代は徹夜続きでもへこたれず、弱音も吐かない。仕事に邁進していた時期は根性論に頼り、そんな強い自分を「当然」と思っていました。
あるとき、コールセンターを大阪に構築するというプロジェクトを任されました。ネットワークエンジニアでしたから、情報が漏洩しないような仕組みをつくるのがミッションであり、会社としても初めての試みを託され、自身を誇らしく思いました。
気がつけば半年もの間、睡眠時間は2~3時間で休日もなし。期限が決まっていた仕事であり、私は「無理」と言いたくないタイプ。ずっとどこかでがまんをしていたせいか、ある朝、頭痛で起きられないことに気がつきました。「おかしい」とは思いながらも気持ちを奮い起こそうとしましたが、足が会社に向かわない。その後、会社を休みがちになりました。