猫や犬だけでなく、うさぎやヒヨコなどのチャンネルも人気です。少し珍しいペット系で人気なのは、「KOTSUMET」というコツメカワウソのチャンネルです。登録80万人を超える人気のチャンネルで、今後さらに伸びると思われます。また、カエルやトカゲなどの爬虫類が登場するペットチャンネルも、人気です。
カエルが笑っているように見える表情や、触れ合っている様子など、カエルやトカゲなどの爬虫類もドラマチックで面白いです。基本的に、ペット系ジャンルに限らず、動画にはドラマチックな起承転結が必要です。動物は人間とは違い、言葉を話すわけではないので、表情や動きなどで視聴者は感情を読み取ります。そのため、表情豊かになりにくい動物が、チャンネル全体で安定した再生回数を維持するためには、ドラマを生む構成が必要になります。
海外で特に人気なのは、ハムスターが段ボールなどで作られた迷路や障害物をクリアして餌を取りに行く動画です。ハムスターや小型のネズミの仲間は、猫や犬ほどの表情が顔に出にくい動物です。そのため、ダンジョンやアトラクションを用いることで、視聴者が飽きることなく最後まで見れるストーリーになります。
このように、さまざまな動物チャンネルが増加しています。しかし、問題もあります。一時期、捨て猫を拾う動画がよく再生されました。本当に捨て猫を拾っている動画もありましたが、ペットショップやブリーダーから買った猫もしくは保健所や知人からもらった猫を、ダンボールに入れて捨て猫風の演出をしたチャンネルが炎上しました。YouTubeではヤラセや仕込みはよくあることですが、動物を扱って視聴者を騙すような構成は反感を買います。また、人気のペットチャンネルでも、そのペットが病気になったり大人になったり亡くなってしまい人気が低迷したチャンネルもあります。動物そのものに人気が依存していることが、チャンネルの強みでもあり弱みにもなります。
ペット系YouTuberは参入障壁が低く、ペットを飼って入れば誰にでもスタートできるジャンルですが、ペット自体に動画の適性がないと、数字が伸びにくいジャンルと言えます。
■なーちゃん/二児のママ兼YouTuber。2014年にチャンネルを開設。長男・こうちゃんと出演する動画は子どもから親まで幅広い層から人気を集め、”ファミリー系YouTuber”としてカリスマ的存在に。