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2020年3月12日にギリシャオリンピアで採火された聖火がまもなく東京・国立競技場へやってくる。テニスの大坂なおみ(23)が東京五輪の開会式を走る聖火ランナーとしてサプライズとして登場する。23日午後8時から国立競技場で開かれる開会式でトーチを持ち、聖火を運ぶという。
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聖火ランナーの最初の走者は、2011 FIFA女子ワールドカップ優勝時のワールドカップ日本女子代表メンバーで、3月25日に福島県のJヴィレッジを出発。聖火ランナーは公募により1万人程度が選ばれたが、その中で栃木県内最高齢走者の104歳の現役理容師・箱石シツイさんに東京五輪で楽しみにしているところを聞いた。
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箱石シツイさんにお話を聞こうと連絡したところ、長男・英政さん(77)から突然の悲報を伝えられた。シツイさんが聖火ランナーとして大役を果たした翌日、元気だった姪が亡くなったという。
「実は最近、母の姪が87歳で、甥が62歳で亡くなったんです。姪や甥とは、母が102歳まで一人暮らしだったので、お互いの家を行ったり来たりしていました。親子みたいに付き合っていたんですよ。姪は聖火リレーのゴール地点で雨の中待っていてくれて“頑張ったね!”って声をかけてくれた……。その翌日、脳内出血で亡くなってしまったんです」(英政さん)
シツイさんの“完走”をゴール地点で見届け、まさに一夜明けた後の突然のお別れだった。姪が自家製の漬物を持参して、シツイさんの家を訪ね一緒に漬物を食べながらおしゃべりする仲良しぶりだったそう。シツイさんの悲しみは測り知れない。
「それで、母は大変ショックを受けてしまって……やっと、今、元気が戻りつつあります。聖火リレーが1年延期になったので、本番までは2年間近く時間がありました。本人は毎日欠かさず練習をしていたので、それが終わって、大役を果たしたという気持ちと姪を失った気持ちでダブルショックだと思います」(英政さん)
今も現役で理容店に立つシツイさんだが体調を崩してしまったそうで「病院で点滴を打ってもらってきました。口内炎ができてしみてご飯が食べられなくて……」と明かしてくれた。