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23日に開会式を終えた東京五輪。前回、東京で五輪が行われた1964年はバレーボール女子で「東洋の魔女」と呼ばれた日本が世界を圧巻。金メダルを獲得して日本中を熱狂させた。
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あれから57年。再び東京に帰ってきた五輪の舞台で、金メダルに挑戦するのは中田久美監督が率いる日本だ。2017年、「東京五輪で伝説に残るチームを作る」と中田監督が宣言して始まった戦いは、ついに最終章を迎える。
東京五輪を展望する前に、これまでの戦いぶりを少し振り返ってみよう。
17年のワールドグランドチャンピオンズカップでは6チーム中5位、18年の世界選手権では6位、そして19年ワールドカップ(W杯)では5位に終わっている。いずれも表彰台を争う上位国とは力の差を見せつけられる結果だった。セッターが定まらず、バックアタックの試行回数が少ない攻撃は単調で、強豪を破るには物足りなかった。
五輪が1年延期となったことで守備の要だった新鍋理沙や19年W杯で正セッターを務めた佐藤美弥が引退。チームとしては打撃だったが、このことが戦い方を変化させた。五輪前の最後の国際試合となったネーションズリーグ(5~6月、イタリア)では正セッターに今季初選出の籾井あき(JT)を据え、セッター対角のオポジットには攻撃力が高い黒後愛(東レ)を起用。アウトサイドヒッターには古賀紗理那(NEC)、石川真佑(東レ)という布陣をほぼ固定して17試合を戦い抜き、4位に食い込む戦いを見せた。
東京五輪を控えて主力が出場していないチームもあったため、手放しで喜べる結果ではない。それでも、籾井のミドルブロッカーやコート中央エリアからのバックアタックを躊躇なく使うトス回しに加え、ライト側に黒後がいることで常にコートの幅を最大限に使うことができる攻撃はチームとしての進歩が見えた。
では、五輪本番で日本がどうなるか展望してみよう。
6チームが総当たりで戦い、上位4チームが突破できる1次リーグ。ケニア、セルビア、ブラジル、韓国、ドミニカ共和国と同じA組に入った日本は組み合わせに恵まれた。1次リーグ突破のために2勝は必須。A組4位通過の場合は準々決勝で中国や米国、イタリアなど強豪揃いのB組1位通過のチームと対戦することになるため、B組2、3位と抽選で対戦相手が決まる3位には入りたいところだ。