26日の初戦の相手となるスペインは、日本が全敗したFIBAワールドカップ2019の王者として五輪に乗り込んでくる。司令塔には現役バリバリのNBAプレーヤー、リッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)がおり、変幻自在のプレーで日本を翻弄するだろう。

 そしてインサイドにはパウ・ガソルとマルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)のガソル兄弟が立ちはだかる。NBAで実績十分の2人は、日本にとって大きな壁。その他、ルディ・フェルナンデス、セルヒオ・ロドリゲスなど世界最高峰を知るプレーヤーがメンバーに名を連ねており、日本はいきなりメダル候補の一角と激突することになる。

 しかも主軸の渡邊については、スペインのセルジオ・スカリオロHCがラプターズのACであったことや、マルク・ガソルがメンフィス・グリズリーズ時代にチームメイトだったことから、プレースタイルや特徴などは丸裸。日本の二枚看板の一人を良く知るメンバーがスペインにいることも脅威だ。

 日本が善戦、あるいはフランス戦に続く大金星を挙げるには、オフェンスの核となるルビオを抑える必要があるだろう。ポジション通りのマッチアップで見ると、ルビオのマークは代表チームでポイントガードを務める田中大貴(アルバルク東京)。日本代表は八村、渡邊、馬場の海外組に注目が集まるが、フランス戦ではエドワーズ・ギャビン(千葉ジェッツふなばし)が好プレーを見せ勝利に貢献した。スペイン代表一泡吹かせるには、国内組の田中にも同様のステップアップが望まれる。

 日本代表にとって2試合目となるのが29日のスロベニア戦だ。リトアニアでの最終予選を勝ち抜いて五輪出場権を獲得したスロベニア代表だが、ここにはNBAのオールスターで世界最高のポイントガードの一人と評されるルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)がいる。

 最終予選を4戦無敗で乗り切ったスロベニアは、この4戦での平均得点が106得点。ドンチッチを中心とした強烈なオフェンス力を武器に五輪への切符を手にした。上述したパワーランキングでは最終予選突破組ながらその評価は5位とメダル候補の一角と言えるだろう。

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対戦国にも実力十分のNBAプレイヤー