「27日の開催は、一番ハードだったと思いますよ。横風で、波はめちゃめちゃ。プレイヤーは本当に大変だったと思います。僕としては、本当は翌28日の方がいいなと思った。波がもう少し小さくなるし、27日よりはやりやすかったはず。運営側は、焦って27日にしてしまったのではないか」

 MABOさんいわく、同じ首都圏でも、海岸によって波の様子がまるで違ったという。今回のサーフィンは千葉県釣ヶ崎海岸での開催。

「湘南は波が立てばいいのですが、波が立たない日もある。千葉の会場は波が常にあるので、『波がないと困るから』という判断で選ばれたのだと思います。でも、皮肉なことに、27日の湘南は北風で最高に良い波でした。これはもう運であって、しょうがないですね……」

 台風の影響に悩まされたサーフィンだが、風を味方につけた競技も。相模湾で行われたセーリングはすいすいと進んでいく様子から、SNSでは「モーターボートのようだ」と評判になった。唐沢氏はセーリングが行われた相模湾の状況については、「あまり悪影響がなかったはず」と話す。

「27日の相模湾は波が高くなかったので、そこまで大きな影響はなかったはずです。台風の影響で北風が吹いていたので、セーリングを行う上では適していたと思います。まったくの無風が一番困るので、27日ぐらいの風がやりやすかったはずです」

 一口に台風の影響といっても、場所によってかなり気象条件は違ってくる。また同じ関東圏の海でも台風の進行方向によって受ける影響の大きさも異なるようだ。

「ほかにもトライアスロンの泳ぎもお台場ですので、波がそこまで大きくなかった。台風は南東から接近したため、東京湾・相模湾では影響はあまりなく、東側に位置する千葉の房総では、より大きな影響を受けてしまいました」

 なかなか難しい気象条件の見極め。天運と受け入れる姿勢も必要なのか。残りの日程は、ベストコンディションになることを望む。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)