埼玉県は、対象区域に対してまん延防止等重点措置を適用していたが、急速な感染拡大を受け、政府は緊急事態宣言を出す方向で検討している。岡医師はこう指摘する。
「埼玉県に限らず、首都圏への緊急事態宣言は後手になってしまった。これまでにも波を経験し、疫学の専門家が予測を出して警告しているのもかかわらず、感染状況が悪化してから対策を強化するのでは遅い。選手は悪くありませんが、東京五輪のお祭りムードにより、感染状況の危機感が消し去られてしまうのは困ります」
「安心安全」が約束されたはずの東京五輪の足もとで急拡大するコロナ感染。ひっ迫した医療現場には、強い危機感が漂っている。
(文/AERA dot.編集部・岩下明日香)