日本選手の金メダルラッシュが、連日メディアで大きく報じられているが、渋谷や新宿など都内の繁華街でその熱気は感じられない。緊急事態宣言が発令され、飲食店は酒類の提供が禁止、営業時間短縮が要請されているためスポーツバーでは空席が目立つ。
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そして五輪開催中にもかかわらず、反対を訴える人たちは少なくない。だが、この人はどこ吹く風だろう。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長だ。
「上機嫌で笑っている姿を会場で良く見ます。試合会場で熱戦が繰り広げられて、東京五輪が成功しているという手応えがあるのでしょう。開会式では13分もスピーチしました。各国の選手団はあまりにも長いので途中で寝っ転がっていましたね。大会関係者が『五輪も落ちぶれたものだな』と自嘲気味に話していましたが、その通りだと思います。無観客だったのも影響したのか、緊張感があまり感じられなかった。コロナ禍だし、国民の税金が使われている。これなら開会式は必要なかったんじゃないかと感じました」(スポーツ紙五輪担当記者)
日本国内や海外で五輪中止の声が高まっていた5月、米紙ワシントン・ポスト(電子版)がバッハ会長を「ぼったくり男爵」と命名。五輪開催の目的が金であることを指摘し、五輪の中止は「苦痛を伴うが、浄化になる」と訴えた。
「日本でコロナの感染者数が急激に増えた時も、バッハ会長は中止する気は毛頭なかったでしょう。昨年3月に東京五輪の延期が決まり、東京五輪・パラリンピック組織委員会(JOC)の森喜朗前会長は2年延期で考えていたが、安倍晋三前首相は1年延期を主張してバッハ会長に電話会談で伝えている。コロナの感染状況を考えたら1年先はまだ不透明だったのに、バッハ会長が1年延期に賛同したのは、いち早く実績作りをしたかったからでしょう。そこは安倍さんと共通している。出身地のドイツでは『コロナを乗り越えて五輪を開催させた立役者として評価を高めて、ノーベル平和賞を狙っているのでは』と囁かれているそうです。ちなみにドイツでもお金に関してダーティーなイメージが強く、決して評判が良いわけではありません」(欧州に駐在する通信員)