バッハ会長は来日後、JOCの橋本聖子会長と公開で行われた会談の中で、日本国民に安全を訴えるつもりが、「最も大事なのはチャイニーズピープル…」と言い間違えた。すぐに「ジャパニーズピープルの安全安心です」と言い直したが、日本人の感情を逆撫でするような発言で大会関係者を呆れさせた。

 言動でなく、行動も様々な臆測を呼んだ。緊急事態宣言中にもかかわらず、多くの関係者を引き連れて広島市の平和記念公園を訪問。原爆死没者慰霊碑に献花し、平和記念資料館を見学したが、公園周辺では、バッハ会長の広島訪問や東京五輪に反対する数十人が「Get Out(出ていけ)バッハ!」、「バッハは広島を利用するな!」、「命より金の五輪は中止しろ!」などシュプレヒコールを行い、一時騒然となった。

 SNS、ネット上では「東京五輪開催って功績なの?個人的にはバッハ会長は2度と日本に来てほしくない(原文ママ)」、「安倍さん、菅さんだけじゃない。バッハも卑怯者。私腹を肥やすことしか考えていない。国民の命や生活は二の次なんだよ(原文ママ)」など批判の声が。ノーベル平和賞が授与される日は来るのか。納得する人が皆無に近いことは紛れもない事実だろう。(牧忠則)