迎えた決勝のフランス戦では、先鋒の女子70kg級で新井が、1階級下の63kg個人戦で金メダルとなったアグベニェヌに合わせ技一本で敗戦、2番手で登場した男子90kgの向も延長戦で一本負けとなり連敗スタート。その後、3番手の女子70kg超級の素根が横四方固め合わせ技一本で勝利するも、4番手の男子90kg超級のウルフ・アロンは身長2m超えのリネール相手に延長で敗れ、あとがない状況に。5番手の女子57kg芳田司も序盤に内股で技ありを奪われ、そのまま敗戦。1勝4敗となり、金メダルが有力視された新種目の男女混合団体戦は銀メダルに終わった。

 東京五輪の“メダルラッシュ”を金メダルで締めくくりたかった日本選手団は試合後、一様に悔しい表情を見せ、個人戦の挽回を狙った向は「個人戦で思うような結果が残せず、団体では少しでもみなのために戦いたかったが足を引っ張り、申し訳ない気持ちがあります」と悔しさをにじませた。

 だが多くのメダルを獲得し、数々の感動を与えてくれた日本柔道選手団に対しては「お疲れ様」「カッコよかった」「柔道フランス強すぎ。日本頑張ってくれてありがとう」「(最後の競技が終わって)柔道が見れなくて寂しい」「向、銀メダルおめでとう」など選手への称賛や、労いの声がSNS上で目立った。今回の五輪では期待されながらも負けた選手などへの誹謗中傷が問題視されたが、柔道に関してはSNSのファンも最後まで選手へのリスペクトを忘れなかったようだ。