「八村、渡辺、馬場といった海外組だけでなく、国内のBリーグ選手たちも良い仕事をしていた。しかし現状では世界ランク通りの実力で全体的な底上げの必要性を感じる。海外でプレーする選手を増やすこととBリーグのレベルアップが絶対に必要。今回の五輪を見れば課題は明白です」(Bリーグ関係者)

 日本と戦った相手では、スペインにはリッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)や、パウ・ガソルとマルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)のガソル兄弟、スロベニアにはルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、アルゼンチンにはファクンド・カンパッソ(デンバー・ナゲッツ)らがNBAでプレーしている。米国は辞退者なども出たが、直前までNBAファイナルでプレーしていた選手も加わった恒例の『ドリームチーム』。バスケ界最高峰でプレーできるレベルの選手を揃えなければ国際試合で結果を出すのは難しい。

「海外組がプレーする環境には各国代表クラスがいる。個々のレベルアップにつながるし厳しい環境での経験も積める。レベルが高いタフな環境でやる選手が増えれば代表チームのレベルが上がります。例えばサッカー五輪代表はオーバーエイジを含め海外組が10人います。彼らの経験が躍進を支えているのは否定できません」(スポーツ新聞記者)

 海外移籍が普通のサッカー界だが、五輪代表22人中10人が海外組というのには驚かされる。またJリーグ発足と、リーグの繁栄が日本サッカーのレベルアップに貢献してきたのは明白だ。それらの積み重ねが今回のメダル獲得へ向けての原動力にもなっている。今後のバスケ界が参考にできる部分も少なくはない。

「海外挑戦と国内リーグの2本柱を大事にするという部分ではサッカーと同じです。国内リーグが盛り上がりレベルが上がれば海外に挑戦する選手も増える。バスケ人口の増加にもつながり才能豊かな素材も集まるはずです。バスケ界全体の底上げが世界で戦うためのカギ。時間もかかりますが1歩ずつ進んで欲しい」(NBAに詳しい在米スポーツライター)

 数年前まではバスケはマイナー競技だった。しかしBリーグは右肩上がりで成長を続け、各地でバスケ専用アリーナ建設が行われるまでになった。日本人NBA選手など想像もつかなかったがチームの顔として活躍している。自国開催の五輪で結果は出せなかったが、時計の針は確実に進んでいる。日本バスケの未来は明るい。

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