土性沙羅は2大会連続のメダル逃すも今後出場の選手に期待 (c)朝日新聞社
土性沙羅は2大会連続のメダル逃すも今後出場の選手に期待 (c)朝日新聞社
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 東京オリンピックのレスリング競技が8月1日、開幕した。実施される全18階級のうち、日本は男子グレコローマン2選手、男子フリースタイル4選手、女子フリースタイルに6選手を派遣(12選手出場は17選手のROC=ロシア、15選手のアメリカに次いで3位)。武道・格闘系では柔道に続いてのメダルラッシュが期待されている。

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 女子は五輪種目となった2004年アテネ五輪から続いた偉大なチャンピオン吉田沙保里や伊調馨の時代が過ぎ、次の世代に引き継がれた。前回リオ五輪でも金メダル4つ、銀メダル1つの成果を残した。今大会で連覇に挑む57kg級の川井梨紗子、68kg級の土性沙羅に、五輪初出場組の4選手が加わり「全階級メダル獲得」を最低限の目標に、そこから金メダル数の上積みを掲げた。

 初日は76kg級の皆川博恵。最重量級で日本初の金メダルを目指し、33歳で初めて五輪のマットに立った。冷静な試合運びで順当に勝ち上がるも、準決勝で「何もできなかった」と敗戦。翌日の3位決定戦に挑んだが、惜しくもメダルには届かなかった。

 2日目はオリンピック連覇に挑む68kg級の土性沙羅が登場。初出場で世界の頂点に立ったリオ五輪以降、ケガや代表決定プレーオフなど苦しい時期を乗り越え、この舞台に戻ってきた。しかし、1回戦でタミラ・ストックメンサ(アメリカ)と対峙すると、序盤から相手に主導権を握られ、2分あまりで0-10のテクニカルフォール負け。優勝候補最右翼と目された相手ではあったが、前回王者たる力強いレスリングや得意の高速タックルも繰り出せず、なす術のない完敗は、ショッキングだった。

 その後、ストックメンサが決勝進出したことで、土性のメダルへの挑戦権が復活。翌日の敗者復活戦では、打って変わって「自分のレスリングが出来た」と快勝を収めると、「金を目指していたので悔しいけれど、切り替えて銅メダルを獲る」と明るい声を弾ませた。3位決定戦では無念の敗戦で表彰台とはならなかったが、元王者の片りんを見せてくれた。

 3日目に競技が開始した62kg級。川井友香子が、姉・梨沙子との「姉妹で金メダル」を目指して、先陣を切った。妹・友香子は自信に溢れた表情で入場すると、五輪初出場とは思えない堂々としたレスリングを披露し、1回戦を10-0テクニカルフォール、2回戦も10-2と危なげなく準決勝進出を決めた。勢いそのままに準決勝も突破。銀メダル以上を確定し、翌日から始まる姉・梨沙子に弾みをつけた。

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川井梨沙子も期待は高い