そばに動物の鳴き声物真似の江戸家小猫さんがいたので「小猫さんもさ、ウグイスとかやったら世界中の人が『オー! ホーホケキョッ!」って驚くんじゃない?」と振ると、小猫さんはちょっと困った顔をした。
「……あの、それは難しいかもですね。いわゆる『ホーホケキョ』と鳴くウグイスって日本にしかいないんです。唯一、ハワイには日本から移殖したものが少しだけいるんですけど、あまり鳴き方が上手くない。やはり同種が少ないとそういうことになるんですね。ですから世界を意識するならウグイスよりテナガザルとかのほうが……」……真面目か。
明日23日の夜はたまたまスケジュールが空いてるのに、まだオファーはない。まぁ、身体検査されたらボロしか出ないので組織委員会も二の足を踏んでるのだろう。賢明です。
追記 開会式、最後まで観てしまった。バッハで寝落ち。女性のほうが話が長いなんて嘘じゃないか、森さん!!
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめた最新エッセイ集『まくらが来りて笛を吹く』が、絶賛発売中
※週刊朝日 2021年8月13日号