スケートボードと同じ新種目のサーフィンでは、銀メダルを獲得した五十嵐カノアが注目を集めた。日本人の両親を持つ米国生まれのトップサーファー。準決勝で見せた大逆転の華麗なエアだけでなく、爽やかな風貌と5カ国語を操る秀才ぶりも話題となり、決勝戦に敗れて“涙の銀”となったが、直後に「悔しかったけど、悔しい中でもありがたい」と語り、「海の神様にありがとうと言った」と前を向いた姿は、実に美しかった。

 他にはボクシング女子のフェザー級で“ノーマーク”から金メダルを獲得した入江聖奈の発言も記憶に残る。カエル好きの女子大生としても有名になったが、試合後の会見での「気づいたら、表彰台の上に立っていた」と無我夢中で金まで登りつめた心境を語ったコメントは話題となった。また、「鳥取県に生まれて良かった。鳥取県あっての私です」と夏冬通じて同県初の金メダリストになったことについて故郷への思いも忘れなかった。発する言葉一つ一つに“大江節”が詰まっており、多くのメディアも彼女の発言に注目した。

 競技別に見ると、卓球陣も大きな注目を集めた。混合ダブルスでの金メダルに始まり、シングルスでは悔しさを味わったが、女子団体の銀メダル、男子団体での銅メダルと堂々たる戦いでテレビでも高視聴率を誇った。その中で特に話題になったのが、卓球王国・中国を破って頂点に輝いた混合ダブルス。優勝の瞬間、水谷隼が伊藤美誠に抱きつくと、伊藤が痛がりながら避けるような形となり、「ちょっとつらかった」と水谷。それでも「今までのすべてのリベンジができました」の言葉には彼の卓球人生のすべてが込められていた。そして8月7日の記者会見で現役引退の意向を示し、「冒険はここまで」と後輩たちに想いを託した。

 競泳陣は瀬戸大也を筆頭に不振が目立ったが、個人メドレーの大橋悠依が、400メートルで優勝して「自分を信じて泳いだ」と涙すると、続く200メートルでも1着でゴールして2冠を達成。「まだ夢みたい!」と笑顔を弾けさせた。そして競泳の女子400メートルメドレーリレーに出場した池江璃花子は、白血病を乗り越えての舞台。レース後に涙を流しながら「この5年間本当にいろんなことがあって、1度はあきらめた東京オリンピックだったけど」と振り返った上で、リレーメンバーとして決勝の舞台に立ったことに「本当に幸せだな と思いました」と振り返り、彼女が起こした奇跡を多くの者が目の当たりにした。

次のページ 久保建英が号泣後に語ったことは?