そんな努力が報われ、2回戦の沖縄水産戦の試合後、大会本部から「今日は良かったぞ」とお褒めの言葉を貰った。

 準決勝では同年の優勝校・取手二に6対18と大敗したが、取手二も当時の吉田剛主将(元近鉄など)が「練習後にバイクで遊びに行って、たばこ吸って、酒飲んで……」と回想するヤンチャ者揃いのチーム。規格外チーム同士の対決は、別の意味でも注目を集めた。

 また、80年春から3季連続甲子園出場をはたした倉吉北は、部員の多くが眉を剃り、額に剃り込みを入れるという典型的なヤンキースタイルだったことから、大会中に高野連から注意を受けている。

 規格外と大物は、紙一重なのかもしれない。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2020」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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