先日、北海道への初進出時に、地元で人気のタレントの方と話していたら、「この値段でこのクオリティーのお寿司が食べられるのは、ファミリー層には嬉しいですね」とおっしゃっていました。「いつもは子供達に『高いお皿を取る時は事前に聞いてからにしなさい』と言っていますが、これなら『好きなだけ食べていいよ』って言えます(笑)」とも。
マルハニチロの「回転寿司に関する消費者実態調査2021」によると、「回転寿司で我慢することの多いネタ」のベスト3は、「大トロ」「中トロ」「ウニ」の順になっています。確かにこれらのネタは、ちょっと贅沢なイメージがありますよね。
そこで今日は「ウニ」についてです。
我々日本人とウニの関係は長く、縄文時代からウニを食べていたようです。その証拠として、縄文時代の遺跡から、ウニの殻が多く出てきているそうです。
あの見た目のウニを最初に食べようと思った人って、すごい勇気だったと思いませんか。もしくはよっぽどお腹が空いていたのでしょうか?
筆者が初めてウニを食べたのは、高校2年生の時。部活でいい成績を残したご褒美として、顧問の先生に連れて行ってもらったお寿司屋さんでした。初めて食べたウニの味は、「なんやこれ~!こんな美味しいものが世の中にあったんか~」というくらい感動したのを今でも覚えています。
ご存じの方も多いと思いますが、我々が食べているウニのあの黄色い身は、ウニの生殖巣、つまり卵巣や精巣なんです。
もちろんウニも生物なので、オスとメスがいますが、見た目だけではほとんど区別がつきません。卵巣と精巣も見た目はほとんど同じですが。そして繁殖期になると、卵子と精子を肛門の周りにある生殖孔から海中に放出して、体外受精によって子孫を増やします。
となると、ウニが一番おいしい時期は、繁殖期の直前に生殖巣が最も大きく膨らんだ時期になりますよね。ただウニの繁殖時期は、種類はもちろん、すんでいる海域によっても変わってきますので、年中どこかでウニの旬を迎えているとも言えます。
ウニは、すんでいる海域によって細かく種類がかわると言われており、日本近海だけでも、約100種類のウニがいます。
その中で、皆さんが一般的に食べているのは、「バフンウニ」「エゾバフンウニ」「ムラサキウニ」「キタムラサキウニ」の4種類くらいです。ほかにも、関東地方などでは幻のウニと呼ばれている、九州地方で取れる「アカウニ」など、希少なウニも色々あるようです。
中でも、「バフンウニ」は味も濃く甘みが強いため人気が高く高価です。
昔、イシダイ釣りなどの餌として、小型のバフンウニを使っていたと思うんですが、今にして思うと、何とも贅沢なエサを使っていたと思います。最近はどうなんでしょうか?
ちなみに、岩場の磯だまりや消波ブロック際などでよく見かける、非常に長い棘が特徴の「ガンガゼ」も、食べることは可能です。