ただ「ガンガゼ」の棘には毒があるので、取り扱う時には刺されないように、まず毒針の先を折るなどしてから、殻を割るようにしましょう。そして、一般人がウニを採取と密漁になってしまいますので、チャレンジしてみたい方は、知り合いの漁師さんに頼むなどする必要があります。
筆者も食べたことはありませんが、「バフンウニ」や「ムラサキウニ」等に比べると、やや淡白で薄味とのことです。
こうして「ウニ」の話をすると、「ウニの苦みが苦手」とか「薬っぽい味がすることがある」という方が時々いらっしゃいます。
実はこれらは、「ウニ」の身崩れを防いだり、色を鮮やかにしたりするために使用しているミョウバンに由来していることが多いように思います。
先ほど書いた通り、我々が食べているのは、ウニの生殖巣の部分で、フグやタラの白子などのように薄皮で包まれていません。
したがって非常にもろく、時間が経つと自然に形が崩れてしまいます。そうした事態を避けるために、出荷前にミョウバンを混ぜた塩水の中につけて、型崩れを防いでいるケースがよくあります。
ミョウバン自体は国で認められた添加物ですので特に問題はありませんが、どうしても味への影響は避けられないようです。よく「産地で食べたウニが甘くておいしかった」と聞くのは、こうしたミョウバン処理をしていないことに起因しているように思います。
くら寿司では現在、「たっぷりうに手巻き」などのメニューを提供しています。くら寿司のウニは、ミョウバン不使用ですので、ウニ本来の甘みを存分に味わっていただけます。
「ウニ」は、良質な脂質や高い抗酸化作用を持つビタミンEをはじめ、体の健康を維持するのに必要な栄養素が豊富に含まれています。ぜひこの機会に、夏の暑さで疲れた体へのご褒美として、我慢することなく、ウニを堪能してみてはいかがでしょうか。
○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長
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