ちなみに、人生の時間の中で、子供という家族がいるのは、ほんの一瞬といって良いほど短期間です。そのときにしかできない経験をしておくのも一興かと。
■どきどき・きらきらのない人生
【相談2】
40代の既婚男性です。もう自分の人生に「恋愛」はないのでしょうか? それを求めるとすれば、あらゆる程度がありますが、つまるところ「不倫」ということになるのでしょうか。
妻を人間として裏切りたくはないので、不倫はしたくないなと思うのですが(まあ、もてないんだから取り越し苦労ですが)、どきどきやきらきらがない人生も、元気が出ないものです。
打ち込める仕事や趣味を見つけなさい、なのでしょうか?
振り返れば、人生におけるどきどきやきらきらの「総量」が、「これっぽっち」で「終わり?」ということに愕然とします。
幸福感は、きゃあきゃあ言われた総量に比例する、という幻想が抜けません。こういう思いは、幸せだからこそのふざけた悩みだともわかっており、日常が失われたときにその価値に気づいても遅い、ということも自覚していますが、「気分」なのでどうにもなりません。
どうか、助けて下さい。
【森博嗣さんの答え】
世の中に存在するほんの僅かな一部のものにしか、どきどきやきらきらがないと思われているようですし、その中でしか、ご自分は元気が出ないと感じられているようです。さらには、周囲がきゃあきゃあ言うことでしか幸福を感じられない、と認識されているわけですね。
ただ、本当にそうなのか、と疑っているのは、歳を重ねて、多少は理解が広まってきたからなのかもしれません。
人生はこれからともいえます。若い頃の「気分」を無理に引きずらない方が、このさきは生きやすいと想像します。
もちろん、すべては自分で納得される道を選んで下さい。
あらゆるものが、取り返しがつかない、というのが人生です。
■ものごとを面白がり続けるには?
【相談3】
自分の考えること、たとえば、テレビを見ていて頭に過る感想が、おそろしくつまらなく、いや、最近では「へえ」か「こいつは嫌だな」以外の感想が出てこないことが多く、そんな自分が不快であり、情けなくなります。
