そんなゆるい魅力を何よりも象徴するのが、終盤の「きょうの占い いきなり答え合わせ!」というコーナー。占い師が全出演者の運勢を診断し、最も良かった人が「当たり!」か「はずれ!」かのサイコロを投げる。今月は好調で、19日現在、9勝2敗だが、大きく負け越した月もあった。占いなのに当たらなくてどうするという気もするが、はずれのときもまた自虐的にみんなで笑ってしまうのである。こんなケセラセラな雰囲気にあふれた占いコーナーはなかなかない。

 あと、川島をアシストする田村真子アナも魅力的だ。父親は田村憲久厚生労働相というお嬢さま。北川景子と田中みな実を足して2で割ったようなかわいらしい美人で、進行もソツがない。それでいて、うっかりなところもあり、料理が苦手だったり「私は顔色が悪いので」と自虐的に語ったりと、にくめないキャラである。この番組の視聴率が10%くらいとれれば、好きな女子アナランキングでもトップが狙えるのではないか。

 しかし、視聴率はよくて3%台。やはり、多くの人がワイドショーを見ているのだ。「はなまるマーケット」への道も遠いというほかない。

 ではなぜ、多くの人がワイドショーを見るかといえば、時代の違いがある。「はなまる」スタートのきっかけとなったオウム事件はある意味、時間がたてば飽きられるネタだったが、現在のコロナ禍はそういうものではないのだろう。新たな情報を期待し、安心したい人がかなりいるのだと思う。

 ただ、個人的感覚として、ワイドショーばかり見ていても仕方ない気がする。下手をすると、不安にさせられるものでもあるからだ。また、五輪開催を批判していたのに、いざ始まると活躍した選手の人気に乗っかろうとする無節操さも目立つ。それこそが、ワイドショーの面白さでもあるが、今回はちょっと辟易した。競技の中継だけ見ていれば、五輪は十分に楽しめると感じたものだ。

 要するに、不安をあおられたり、感動を付け足しされたりすることが、そんなにうれしいのかということである。さらにいえば、コロナ禍もあるいは天候不順などもつまるところ、なるようにしかならない。一定の備えは必要だとしても、ワイドショーにかじりついてまで得られる情報に決定的なメリットはないと考える。かえってストレスが増すというデメリットもあるだろう。

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