「レジェンドの人たちを見ると、やっぱり自分はまだまだだなってすごく思うし、ONEの本戦でまだ3戦しかしてないのにこうやってグランプリに出させてもらえるっていうのは何かに“試されてるな”って思います」
元RIZINスーパーアトム級王者のハム・ソヒ(韓国)、ONEアトム級ランキング1位でMMA8戦全勝のデニス・ザンボアンガ(フィリピン)らが出場するトーナメントで平田は最年少。本人が自覚する通り、真価が問われる戦いとなる。
「年も経験も自分が一番下って言われるんですけど、これからやること、経験できることの方が大きいと思うから、全然何とも思わないです。こういう大きい大会に選ばれて世界中の人たちと戦えるって思うと、それに選ばれた自分もすごいなって思うし、どういう試合ができるか自分でも楽しみです」
平田にとって試合は楽しめる“場”なのだという。
「シンガポールに着いて思ったのは“勝とう勝とう”っていうより“やっと楽しめる場所が来たんだから楽しまなきゃ”ってことです。大きなケージの中に、自分と相手が2人だけっていうあの空間が一番解放される時間なので。一番楽しい時間なので、本当に楽しんで試合をして、勝って日本に帰るだけです」
1回戦の相手はアメリカのアリース・アンダーソン。MMA戦績は5勝1敗と、経験そして身長でも8センチ平田を上回る。
「自分より大きい選手と試合をするのが初めてなので、男子のストロー級の背の高い選手とかともやってもらってきました。実際試合でやってどれだけ大きいのかっていうのが初めてなので、そこは自分の中でも経験になるなって思います。リーチの長さも10センチぐらい違うので、全体的に一回りぐらい大きいのかなって思います。でも、相手が決まってからはずっと大きい相手とやってます」
臆するところはない。前回2月の試合で苦い思いを抱いて以来、取り組みを変えてきた。
「勝っても嬉しくない勝ちもあるんだなってすごい思ったし、メインをやらせてもらってあの締め方は本当によくないなと思いました。あの気持ちは絶対忘れちゃいけないと思ったので、そこからほんと気持ちを切り替えて、練習内容も全部変えました。いろんな試合、動画を見るのがすごい増えたし、自分に足りないものを見つけたり、すごくいい時間だったと思います」