ただ、次女の出産後これほどの悪意が世の中にあることを想像したことがなく(電車などでちらちら見られるくらいのことはありましたが)、次女にもいろんな経験をして好きなことを見つけてほしいと考えており、それが子育ての希望にもなっていたため、「そんなことよりも、とにかく安全に過ごせる場所にいさせてあげなくては」と自分が次女を狭い世界に閉じ込めてしまうようになるのでは、ということも不安です。

 例えば小学校も、長女も通う予定の地域の小学校で(普通級ではなく支援学級になると思いますが)健常の子たちとも関わりながら生活をするのが次女の成長にとっても良いのではないかと思い(そしてダウン症児の親としては、ハンディキャップがある子が当然に身近にいる環境で育つことで、周りの子供たちが障害に対してフラットな「いろんな子がいて当然だよね」という意識を持って成長してくれたらいいな……という願いもあり)、入学を希望していましたが、それにも少し不安を感じてしまっています(通う予定の学校について悪い評判を聞いたことはないので、大丈夫だろうと頭では思っているのですが)。

 大変長文になってしまい申し訳ありません。「子供たち、特に障害のある子をどうしたら悪意から守れるのか」ということについて完全な策はないのではと思うので、それを教えてほしいというわけではないのですが、このような問題について鴻上さんのお考えや、気持ちの持ち方についてアドバイスをいただけたら大変うれしいです。

 もしこの相談を取り上げていただけたら、それを読んで同じように障害のある子を育てているパパ、ママたちの動揺する気持ちが少しでも穏やかになり、元気に子供たちに向き合えるようになったら、と願っています。

【鴻上さんの答え】
 くじらさん。暑い日が続いていますが、毎日の子育てはいかがですか?

 くじらさんが書かれているように、僕も「『子供たち、特に障害のある子をどうしたら悪意から守れるのか』ということについて完全な策はない」と思っています。

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問題を一気に解決するような万能な策はないが…