この相談を読んだ多くの人が、「いじめはそもそも許しがたいのに、障害のある子をいじめるなんてのは、言語道断、絶対に見過ごさない」と思ったり、「なるほど。なるべく障害のある子と一緒に過ごす時間を作ればいいんだ。そして自然に接してみればいいんだ」と思ってもらうことが、この国の多くの人の意識を変えていくことだと思っているのです。
名作映画『チョコレートドーナツ』を見る前と後で、ダウン症児に対する意識がまったく変わった知り合いがいます。人は、知ることで変わる可能性があるのです。
どうですか。くじらさん。
長い道ですが、少しずつ少しずつ、当事者の思いを伝え、本当の姿を知らせていくことが、ぶつけられる悪意を減らす一歩だと僕は考えているのです。
そのためにも、僕自身、作家・演出家として、できることはしようと思っています。
くじらさんの子育てを心から応援します。
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