

俳優・タレント、原田龍二。不倫謝罪会見から2年。一度の失敗がタレント生命を脅かす昨今の芸能界で、異例の速さで原状回復を果たしている。妻と共演するCMも話題だ。「許されたとは思っていない」と本人は話すが、家族や仕事相手と築いてきた「人間力」が味方になったと30年近くを共にするマネジャーは言う。これまで、どんな生き方をしてきたのだろうか。
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梅雨晴れの眩(まぶ)しい日差しが降り注いだ6月中旬のある日、東京都千代田区にあるTOKYO MXテレビの会議室に報道陣が詰めかけていた。有名芸能リポーターの顔もちらほらと見える。そこに登場したのは原田龍二(はらだりゅうじ)(50)と、原田の妻、愛(48)。これから始まろうとしているのは原田が2018年からCMキャラクターを務める山本漢方製薬「大麦若葉」の新作CMの記者会見だった。
「思い起こせば2年前、この場所であのような謝罪会見をしたことを思いますと気持ちが楽と言いますか、謝らなくていいので気が楽です」
大真面目な顔で原田が言うと、会場にワッと笑いが起きた。
そこは、まさに謝罪会見を行った場所だった。19年の5月末、複数の女性ファンとの愛車を使った不倫報道という“文春砲”後、リポーターに突っ込まれながらすべてを認めて謝罪し続けた場所。そこに妻と並び、「家族愛」をテーマにした新CM発表会をする日が来るとは誰が想像しただろう。
会見で同社の山本整社長は「企業なので契約解除が当たり前の判断。しかし原田さんが本当に現場で楽しく仕事してくれていた。あれで解除となるのはあまりにも寂しかった」と語った。CMは象徴的だが、原田は異例の速さで原状回復を果たしている。それどころか昨年末には自身が綴った教訓とともに全裸でポーズを決める「毎日反省 日めくりカレンダー」を発売するなど、独特の立ち位置を確立しつつある。
「いや、自分ではそんなふうに、許されたなんて思ってないです。いまだに朝、目が覚めたらまず悪夢のように不祥事のことを思い出しますから。でもそのビジョンは戒めとして持ち続けたい。マイナスからのスタートですが、生きている限りレースは続く。いつか1等賞を取りたい。それは人間として唯一無二の場所に立つことです。そう自分を鼓舞して一日が始まるんです」