「まずは病院に電話して、担当医と治療プランを相談していただきたいです。診察料は、治療メニューや医療・介護保険の自己負担割合によって変わりますが、1割負担の方の場合、1回につき900円から2千円程度。3割負担の場合でも1万円を超えることはありません」

 適用される保険の種類は、治療行為によって変わる。例えば、虫歯の治療は医療保険だが、嚥下機能の診察には介護保険が適用される。適用保険の種類や自己負担額の目安についても、事前に担当医に相談しておくと安心だ。

「1日1回、少しケアするだけでも歯の寿命は変わります。麻痺があってうがいが難しい場合は、歯ブラシにガーゼを巻き付けて汚れを拭き取る。認知症の場合は、ご夫婦やご家族で互いに声を掛け合って歯磨きを忘れないように習慣づけることが大切です」

 厚生労働科学研究班の調査発表によると、ほとんど歯がなく義歯もしていない人は、20本以上歯が残っている人に比べて、認知症になるリスクが1.9倍高いという。1本でも多く自分の歯を残すために、日々のケアを怠らないようにしたい。(ライター・澤田憲)

週刊朝日  2021年9月17日号より抜粋