落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「やんちゃ」。
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日ハムの中田翔選手が巨人へトレードされました。しかも無償です。これは巨人へのちょっと遅めの御中元かもしれませんね。ハムだし。北海道は他の地域より御中元の時期が遅いらしいので、ギリギリ間に合ってよかった。
暴力は言語道断だけど、やんちゃな人って魅力的です。隣に住んでたらかなり面倒くさいけど、たまに見かけると「お。やってんねー!」と言いたくなる人っていますよね。
小5の時の隣のクラスの中田くん(仮)はそんなかんじ。勉強も運動も人並みです。家も中流。ただ虫歯だらけ。「歯を磨くくらいなら歯なんか要らない」と常々言ってました。いや、要るだろ。
「冬でも半袖短パン」。体操服が2枚しかないらしく、洗濯物が乾いてない時はランニングの下着。それでも寒くないようで「オレには秋と冬は無い」が口癖。
「木の棒を常に持ち歩く」。お気に入りのサイズの棒を刀のようにベルト通しに通して携帯してました。チャンバラごっこ、スカートめくり、マゴの手と色んな用途に使います。マジックで『なかた』と名前入り。
「誰かれ見境なく女子に告白する」。恋多すぎて図工のお婆さん先生にまで告ろうとして皆に止められてました。同じ子に2回告白してまたダメだった時は「あー、前にフラレたの忘れてた」だって。
「秋になってもクワガタの死骸を大切にとっておく」。愛が強すぎてポケットに。頭部がとれてもアロンアルファでくっつけてました。
「給食に出た『ししゃもの南蛮漬』を45本食べる」。嫌いな人からもらって、一人3本のノルマでしたから15人分。口の回りに魚卵が半日ついてました。
「カサブタを大切に剥がして缶ペンケースにとっておく」。膝小僧に出来た3センチ四方のカサブタが無くなった時、「無い! 無い! オレのカサブタ知らない!?」と隣の教室まで捜しに来ました。