■水平的な関係性が重要
──政治的な立ち位置は「リベラル」だけど、党運営が「パターナル」という皮肉ですね。
中島:左翼あるあるですね。言っていることはリベラルだけれども、やることはパターナルというのが市民運動から共産党に至る悪い特質ですね。
保坂:選挙以外のときに、男性だけではなくて、女性や若者など柔らかい市民層が身近に政治へ参加し、そこから新しい議員候補が出てくるという回路を作る必要があると思います。そうしないと、根を持った政党にはなりませんから。
立憲執行部は、男女半々ではなく、ほとんどが「おじさん」。選択的夫婦別姓やLGBTQの政策を主張しても「これ、リアルじゃないんじゃないか」と思われてしまう。まずは人事で範を示してほしいですね。
中島:理念を最も表現しやすいのが人事ですよね。リーダーシップでできることで、執行部の大きな課題だと思います。
とはいえ、たとえば小池百合子氏は、おっさん以上の「おっさんの政治家」と思います。
上からの自慢話と説教がおじさんの特徴ですが、自分の価値観で他者に対して介入していく「パターナル」な政治は、まさにおじさん的です。右左や男女関係なくいます。そうしたおじさん的な政治のあり方をどう克服するかが問われています。
やはり上の人が言ったから従う政治ではなく、一人一人が平等な主体であり、議論を尽くして決定されたことを重視するプロセスを確立していく。この人間の水平的な関係性が、おじさん政治を超える重要なことではないかと思います。
保坂:突破していくには、政治の体質自体を変えなければいけない。私は今、政権交代が必ずしも必要だと思っていません。もちろん、今の政権がいいというわけではありません。どうせ変わるなら、政権だけではなくて、その権力を行使する人たちの質が変わらなければいけない。ここを目指すべきかなというふうに思います。
──今回の衆院選、有権者はどういう形で向き合い、選択をしていけばいいのでしょうか。
中島:イメージではなくて、(1)~(4)のどのゾーンを目指す政治家なのかを見定め、そこに合致する政党や候補者を選んでいくのがいいと思います。