「2・5・3の法則」と呼ばれる選挙の法則があります。2割は選挙で必ず野党に投票する人で、5割はいわゆる無党派層、3割が与党に入れる人です。
安倍前首相の選挙のやり方は、「道半ば」と言って争点をうやむやにして、無党派層の投票率を下げて、3割の固定票で勝つというワンパターンでした。
今回の選挙は9年間続いた安倍・菅路線を見極める選挙です。そのためには、(2)のゾーンの政治を実現する「新しい船」をちゃんと出さないと駄目です。野党側に課せられている大きなポイントです。
立憲の戦略は「菅首相がだめだから立憲」という棚ぼたで勝とうとしていた。自民党が新政権で選挙になだれ込めば、惨敗の可能性が十分あります。
野党共闘が最低限の条件で、その上で自分たちのコロナ対策をリアリティーをもって、どれだけ出せるのかがカギです。
■しっかり政策の議論を
──今回の衆院選で目指すべきは与野党の伯仲でしょうか。
保坂:「伯仲」に迫るということですね。しっかり政策の議論が行われて、その上で物事が進むという政治に戻してもらうというのが最大の願いです。
中島:私は5割の無党派層の人が悪いとは全然思っていないんです。5割の人たちは、上意下達な政治の体質が嫌で、決して政治に無関心な層ではないんですね。だから、こういう人たちを取り込むにはどうしたらいいか。やはり両陣営の「おじさん」的な体質の改善がとても重要ですね。
(構成/朝日新聞政治部・南彰)
※AERA 2021年9月13日号