これまで出馬は「白紙」としてきた石破茂元幹事長が9月15日、記者会見し、不出馬を表明した。
「自民党の改革を志す勢力が、二分せずに一致すべきだ」と河野太郎ワクチン担当相の支援を打ち出した。
一方で、自ら率いる石破グループ「水月会」のメンバーには、「誰を支援するのか、それぞれの議員で考えるべき。グループとして拘束しない」と述べ、自主投票とする意向を示した。石破氏の不出馬で総裁選の候補者として急浮上したのが、野田聖子幹事長代行だ。
推薦人に確保にメドがつき、4番目の候補者として明日にも出馬表明をするという。
過去3度の総裁選で推薦人が足らずに断念した野田氏だが、今回は「これも神風かもしれません」(野田氏と近い衆院議員)という。
「石破氏が自主投票としたことでグループはフリーハンド。石破氏が出馬しないなら、政治的な共通点の多い野田氏を支援したい、推薦人になってもいい、という議員が出てきました。にわかに野田氏の推薦人集めが現実的になってきたのです。これまで石破氏に出馬を進めていた二階派の一部も野田氏の推薦人に応じると聞いています」(石破グループに属する国会議員)
石破氏が不出馬を決めたことで、野田氏への「流れ」ができたというのだ。野田氏の推薦人集めは、過去の総裁選のときと同様に浜田靖一元防衛相らが中心いなっているという。
野田氏が参戦すれば、河野氏、岸田文雄元外相、高市早苗前総務相に続いて4人目の候補となる。
安倍晋三前首相、菅義偉首相の時、真っ先に支援を打ち出し、勝ち馬に乗ってきた二階派だが、今回は岸田氏が党役員改革案という「矢」を二階俊博幹事長に放ったため、退任を迫られ、迷走が続いた。二階派幹部はこう話す。
「石破氏がうちの要請には応じず、不出馬を決めました。河野氏に乗ろうという意見も多くあった。しかし、二階幹事長に引導を渡そうとした岸田氏以外ならこの際、誰でもいいんじゃないかという意見もある」