大関の御嶽海がカド番で迎えた昨年9月の秋場所で4勝11敗と負け越し、関脇に転落。新大関から在位4場所での陥落は、現行のカド番制度となった69年名古屋場所以降では4番目のワースト記録だった。その後も2場所連続負け越しと元気がない。同じく大関だった正代も9月の秋場所で4勝11敗と負け越すと、カド番となった11月の九州場所で6勝9敗と負け越し、在位13場所で陥落した。今年1月の初場所で10勝以上あげれば大関に復帰できたが、6勝9敗と負け越して返り咲きどころか三役にも残留できず、来場所の平幕転落が決定的となった。
スポーツ紙デスクは、「御嶽海は右肩をけがした影響が大きいと思います。得意の速攻相撲が見られなくなってしまった。正代は自信を喪失しているように見える。元々慎重な性格ですが、負けが込んでしまってから相撲が消極的で迷いを感じる。大関が次々と陥落したので、貴景勝に対する期待が高まっている部分がある。謙虚な性格で芯も強いので、これからもどんどん強くなるでしょう。来場所で2場所連続優勝を飾ったら、12、13勝でも横綱昇進を検討すべきだと思います」と語る。
平成以降に大関から横綱に昇進した11人の力士の成績を見ると、全員が2場所で計26勝以上をクリアしている。横綱・照ノ富士も2場所共に12勝3敗で連続優勝を飾った後、21年7月の名古屋場所千秋楽で全勝対決となった横綱・白鵬(現宮城野親方)に敗れて優勝を逃したが、14勝1敗で横綱昇進を決めた。
17年の初場所後の稀勢の里(現二所ノ関親方)以来6年ぶりの日本人横綱誕生へ。貴景勝への期待が高まるが、果たして来場所はどんな相撲を見せてくれるか。
(今川秀悟)
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