佐藤祐市監督(画像=本人提供)
佐藤祐市監督(画像=本人提供)

 竹内さんは、NHK朝ドラ「あすか」(1999年)のヒロインを演じた後、ドラマ「ランチの女王」(フジテレビ系 2002年)で月9初主演を果たし、映画「いま、会いにゆきます」(04年)や「サイドカーに犬」(07年)など話題作に多数出演し、人気女優の地位を築いていた。

「それまでは、優等生で真面目というか、わりと清純派の役が多かった印象でした。結子さんとしても、30代になって、これまでの役者としての自分を壊したいと思っていたのかもしれません。姫川玲子という役には、本当に一生懸命というか必死でした。私もそれなりにドラマ経験を積んできて、次はリアルな刑事ドラマをやってみたいと思っていた時だったし、いろんなタイミングがピタっと合ったんでしょうね」

「ストロベリーナイト」の原作は、誉田哲也氏の警察小説「姫川玲子シリーズ」。竹内さんは警部補として、男性刑事ばかりの部下を束ねる主役の姫川玲子を演じた。

 事件の描写は首を切って血が飛び散ったり、バッドを腹に叩きつけたりするなど、猟奇的なシーンも多かった。竹内さんが演じた姫川は、女子高生の頃、公園付近で何者かに襲われ、腹部を刺されて性的暴行を受けた過去があるという、難しい役どころでもある。

「2010年5月頃、初めて結子さんと会議室でお会いした時、彼女は前のめりで、食い入るように、私の話を聞いていたのが印象に残っています。レイプ被害に遭われた女性が、自分のつらい経験をつづった手記が何冊か出ています。結子さんにそうした手記を読んだことはありますかと聞いたら、何冊かは知っていましたが、読んだことがないとのことでした。そこで、ぜひ読んでみてくださいと伝えたら、実際に何冊か読んでくれたみたいです」

 ドラマでは姫川が過去のトラウマから、法廷で被告の弁護士に泣き叫びながら抗議するシーンがある。被害者の手記を読んで、竹内さんに響くものがあったのだろうと思わせる、迫真の演技だった。

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「どうしても泣けない」と直訴