ドラフトで“当たり選手”を引くのは難しい。
【写真特集】「ドラフト候補」をランク付け!トップ10(野手編)
ある程度、プロ野球を見続けたファンであれば、多くの方が同じ認識を持っているのではないか。
昨年の日本シリーズで4連覇を果たしたソフトバンクも、投手の千賀滉大、石川柊太、野手の甲斐拓也、周東佑京ら育成出身の選手が主力となっている一方で、2015年の高橋純平(3球団競合)、2016年の田中正義(5球団競合)の両投手は、「活躍間違いなし」という評価ながら、これまで目立った成績を残せていないのが実情だ。
昨オフには同じくドラフト1位でソフトバンク入りした吉住晴斗が、プロ入り3年間で一軍での登板はなく、自由契約(後に育成選手として再契約)となるなど、改めてドラフトの難しさを痛感した人も少なくないだろう。
このドラフトの難しさは野球に限ったことなのか……。
日本では野球のようなドラフト制度を他のスポーツでは採用しておらず比較できないため、アメリカのMLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)の北米4大スポーツを例にとって、検証してみたいと思う。
まず、検証の方法としては、今年行われたドラフトを含めた過去4年(2018~2021年)の指名選手は除外(MLBはメジャー出場までマイナーでの準備期間が長いため)。それ以前の10年(2008~2017年)の全体1位指名の選手を対象とし、オールスターに選出された人数、合計の回数をドラフト成功のバロメーターとした。
また、各競技ごとに試合に出場できるロースターの数、オールスターに選出される人数が違うため、各リーグのロースター数の合計を、オールスターに選出される人数で割り、オールスターに選出される割合を算出。MLB(11.8人あたり1人)、NBA(16.25人あたり1人)、NHL(16.72人あたり1人)、NFL(16.74人あたり1人)とMLBが最も選出される選手の割合が多く、他の3競技はほぼ同じ数字となった。※ロースターはアクティブロースターの数で計算
下記、各リーグで2008年~2017年にドラフト全体1位指名を受けた選手とオールスター出場回数
【MLB】
・2008年:ティム・ベッカム(出場なし)
・2009年:スティーブン・ストラスバーグ(3回)
・2010年:ブライス・ハーパー (6回)
・2011年:ゲリット・コール (4回)
・2012年:カルロス・コレア (2回)
・2013年:マーク・アペル(出場なし)
・2014年:ブレイディ・エイケン(出場なし)
・2015年:ダンスビー・スワンソン(出場なし)
・2016年:ミッキー・モニアック(出場なし)
・2017年:ロイス・ルイス(出場なし)
■合計:4人出場、15回