水色のアイスがずらりと並ぶ生産工場(提供)
水色のアイスがずらりと並ぶ生産工場(提供)

「90年代後半に販売の伸びが鈍ってきたので、99年に初めて全国規模の消費者調査をしました。すると『汗が泥くさい』『歯ぐきが汚い』『田舎くさい』と、キャラとしての『ガリガリ君』が嫌われているという衝撃の事実が判明したのです。そこで全面リニューアルに踏み切ることになりました」

 特に若い女性の評判は散々で、“人格”を全否定する意見も。成人前のガリガリ君は「モテない」どころではなかった。

 全面刷新に伴い、おなじみのイメージソングに乗せたテレビCMがスタート。営業面で大手メーカーに先んじてコンビニへ売り込みを図ってきたことも実を結び、販売本数はこの年、初めて1億本を超えた。この後、ガリガリ君を売り込むための専門会社も作った。

「シチュー」「メロンパン」「黒みつきなこもち」──。ガリガリ君といえば、発売当初から毎年のようにいろいろな味の新商品を出す戦略で知られる。06年に投入した、ぜいたく感のある「ガリガリ君リッチ」(現在の販売価格140円=税別)や、15年から販売する女性向けを意識した果汁分の多い「大人なガリガリ君」(同100円)、妹分の「ガリ子ちゃん」を含め、シリーズ全体で150種類以上の味を開発してきた。弟分として、毎年売れ行きが伸び悩む秋冬に限定したラクトアイス「ソフト君」を作ったこともある。

◆伝説のコンポタ 異業種コラボも

 今年は40周年を記念し、「うめ味」を6月に発売。昨年秋に「食べたい味」を一般公募し、応募総数4万9168票のうち最多の1367票を集めた。

 たくさんの種類を売り出せば、失敗もある。

 成功例として代表的なのは、12年に発売したコーンポタージュ味。ツイッターで話題になり、事前の予想を大きく上回る売れ行きに。供給が間に合わず、一時は販売休止に追い込まれるほどだった。販売を再開した翌13年、ガリガリ君全体の売り上げは過去最高の約4億7千万本を記録した。コーンポタージュ味はメディアやSNSで「伝説の味」として語り草だ(現在は販売終了)。

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