その後、くま子が必死で探していました。「こふくじいちゃん急にどこいったん?」って。最後の一カ月、こふくが過ごした2階の奥の部屋までいって、匂いをくんくん、くんくん嗅いで……。
そういえば、こふくは若い頃から鳴き方が少し変わっていて、「まゎ~ん、まゎ~ん」って、鳴いていました。その声が、ずっと私の耳に残っていました。
実は、こふくがいなくなってからも、その「まゎ~ん」が、時々どこからかふっと聞こえていたんです。
でも今年8月、一周忌を迎えたあたりから、鳴き声が聞こえなくなりました。いよいよお空に上がり、ゴンやポン、大福たちと合流したのでしょうか。
こふくはカリカリが主食で、おやつをあまり欲しがりませんでしたが、なぜかクリープ(粉ミルク)が好きで。私が朝コーヒーを飲むと、「クリープちょうだい」と傍にくるんです。ほんの少しあげると、ぱふぱふと顔に粉をつけて舐めていたっけねえ。コーヒーを飲む時、あのしぐさが思い出され、胸がじーんとなります……。
さみしいですが、今はくま子に癒されています。くま子のために私たちも元気でいなくてはね。
くまちゃん、シャイでもいいから、孫たちのことをこれからもよろしくね。そしてこふくちゃん、遠慮はいらないよ。いつだって、そっとクリープを舐めにきていいからね。
(まとめ 水野マルコ)
【猫と飼い主さん募集】
「猫とたずねて三千里」は猫好きの読者とともに作り上げる新連載です。編集部と一緒にあなたの飼い猫のストーリーを紡ぎませんか? 2匹の猫のお母さんでもある、ペット取材歴25年のベテラン・水野マルコ記者が飼い主さんから話を聞いて、飼い主さんの目線で、猫との出会いから今までの物語をつづります。虹の橋を渡った子のお話も大歓迎です。ぜひ、あなたと猫の物語を教えてください。記事中、飼い主さんの名前は仮名でもOKです。飼い猫の簡単な紹介とともにこちらに連絡ください。nekosanzenri@asahi.com