ゴンとポンは、くま子がわが家の玄関に置かれる2年前に、続けて旅立ちました。ポンはおむつをしながら12歳まで生きてくれたんです。私は1年以上泣いていましたが、涙が涸れた頃にくま子がやってきたわけなんです。
やっぱり誰かが見ていて、届けてくれたのかしら……。
3人の娘にはそれぞれ子どもができて、今は孫が5人います。
娘や孫が家にくると、こふくは「よう来たなあ」と出迎えるけど、くま子は怖がりで、まだ幼い男の子の孫が来ると逃げちゃう。こくふと正反対でくま子はシャイですからね。音にも敏感で、家の前を大きな車が通ると隠れるし、虫も苦手。ゴキさんが現れるとぎょっとして見ていたり。
こんな楽しい黒猫と白猫のコンビの生活が、ずっと続くものだと思っていました。娘にやり方を教わり、インスタも2年前にデビューして2匹のことを載せて楽しんでいました。「こふくじいちゃんかわいい」なんてフォロワーさんにいわれると、うれしかったですね。
けれど、試練の時は突然訪れました……。
◆鳴き声も聞こえなくなったけれど
昨年の夏、こふくが急に体調を崩してしまいました。くま子が来た時、こふくはすでにシニアではありましたが、マイペースで生活し、健康診断のたびに「この子は年の割に元気だ」と、獣医さんも仰っていたんです。
ところが食べなくなって、見る間に体力が衰えて。急激な腎臓の悪化とともに貧血、脱水という症状が出て病院に通い点滴をしてもらいました。
……でも看病の甲斐なく、こふくは体調が悪くなってから2カ月くらいで亡くなりました。享年18歳、(昨年の)8月27日でした。
長生きはしてくれたけど、20歳ころまでぴんぴんと思っていたし、とっても悲しかったです。動物との別れは本当にいつだってつらい。
お葬式の時は、家族みなが集まりました。3人の娘と5人の孫も、総勢10人でこふくを見送りました。名前の通り、みんなに福をくれた猫でした。小さいどころか抱えきれない福と笑顔を。