こふくもまた保護したでした。19年前、娘たちと買い物にいこうとして近くの公園の脇を通りかかったら、子猫の鳴き声だけどこからか聞こえてきて。探したら生後2か月くらい真っ白な子猫がいるじゃないですか。周りに母猫の姿はないし、見つけたなら助けないと!と思い、連れて帰りました。その時も哺乳瓶を買いに走り(笑い)、4時間置きにミルクをあげました。

 名前は、前に白猫の大福という子がいたので、そこからもらって、こふく。小さい福が訪れますように、と願いました。

 こふくがわが家に来た時には、犬のゴンと、やはり公園で保護した猫のポンがいたんです。ゴンは、家の前で交通事故に遭ってしまい、助けたのです。ポンは、こふくと同じ公園で保護したサビ猫で、見つけた時は下半身が血だらけで尾がぷらぷら。

 ポンはそういう状態で保護したものですから、下半身まひでずっとおむつをつけていました。そんなポンに対し、こふくは常に一歩下がって、ストーブを譲ってあげたり、優しく接していました。後から来た弟分が、ハンデのあるおねえさん猫をたてている感じ。もしかしたら、こふくは私に甘えたいのに 我慢していたのかもしれません。

 ポンのおむつ替えは大変で、暴れて手が傷だらけになりました。でもかわいい子で、家族を笑顔にしてくれました。

下半身が悪かったサビ猫ポンに、こふくは優しく接した(提供)
下半身が悪かったサビ猫ポンに、こふくは優しく接した(提供)

◆遠慮深いこふくが“やってもうた”

いつもおとなしく遠慮深いこふくでしたが、“やってもうた”ことが一度あるんです。唯一の武勇伝です(笑)

三女がまだ高校生の頃。冬にすてきなファー付きのコートを買ってきて、箱にしまったまま部屋に置いて出かけたんです。そうしたら留守中に(青年だった)こふくが部屋に入り込んで、わざわざ箱を開けて襟のファーを狙って。もう敵を倒すかのように引っ張って噛んで、ファーはめちゃくちゃ……。帰ってきて娘が真っ赤な顔で「どうしてくれるの、おかあさん!服をどうにかして」と。それで慌ててお店にコートを持っていき、「猫がうっかり齧っちゃって」と正直に言ったら、何と親切にファーだけ替えてくれたんです。家族も円満、私もこふくも大助かりでした(笑)。

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試練の時は突然訪れました