黒田慶樹さんは、まだ学生のときに父親を亡くしている。当時の記事を読み返すと、宮内庁関係者の話として、黒田さんの人物像をこう表現していた。「若くして苦労し、人の気持ちがわかる人」ーー。

 清子さんと黒田慶樹さんの結婚を取り持ったのは、兄の秋篠宮さまだった。秋篠宮ご夫妻は、妹と友人の関係に必要以上に立ち入ることなく、そっと見守った。 

 眞子さまの婚約内定当時、宮内庁幹部を務めた人物はこう話していた。

「民間に出る皇族女性の場合、お相手が皇族方と交流のある家の出身であることがほとんどで”身辺を確認”する慣習がなかった。小室さんの場合も、同様です。ましてや、小室さんの場合、秋篠宮家が調べることを望まなければ、宮内庁が勝手に調査などする訳にはいかなかった」

 清子さん自身も、自分が民間に出るにもかかわらず、お相手について情報が公にされ過ぎることに、よい思いはなかったようだ。

 そうした妹の気持ちを秋篠宮ご夫妻は知っていた。だからこそ、眞子さまの結婚に際し、小室家をあれこれ調べることをしなかったのだろう。 

「2017年5月に、NHKが『眞子さまご婚約へ』とスクープを打った後、いざ報道各社が小室さんのあたたかなエピソードを取材しようと周辺を当たった。しかし、出てくるのは予想と異なる内容で、戸惑ったのは確かです」(皇室記者)

 宮内庁は眞子さまについて、「自分自身と家族、結婚相手と家族に対する、誹謗中傷と感じられる出来事が長期的に反復され、逃れることができないという体験をされた」と説明した。

 一方で、内親王の結婚相手についての取材と報道によって、結婚相手である小室家が「金銭トラブル」という問題を抱えていたことが、結婚前に判明した。それはまぎれもない事実だ。

 小室さんがパラリーガルとして日本の法律事務所に勤務していた当時には、こんなこともあった。小室さんの仕事に関係する人物が、自分の知人まで呼んで、小室さんと眞子さまと一緒に食事をしたこともあった。当時、眞子さまの「皇族」という立場が利用されかねないと、紀子さまが心配していたと聞いている。

 宮内庁は、「誹謗中傷が眞子さまを追い詰めた」として、「誹謗中傷がなくなれば症状は改善する」と主張する。

 では、皇族やその結婚相手に対する報道を止めさせれば、問題は解決するのだろうか。

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元皇族と皇室の親縁というブランドの影響力